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2015-02-05 16:21    クロエ marcie バッグ
 そう憤慨《ふんがい》したのは束《つか》の間《ま》、恭介《きようすけ》はその曲に心を奪《うば》われてしまう。  美しいメロディと荒々しいギターの音色。それは恭介の知っている流行曲とは、まるで別次元の存在だった。心が揺《ゆ》さぶられた。身体《からだ》が熱くなり、なぜか哀《かな》しくなった。自分の中にある欠損した部分が、その曲を聴《き》いている間だけは、忘れられるような気がしたのだ。 「いい曲……っすね」  曲と曲の合間を縫《ぬ》って、恭介はぽつりと感想を言った。  その言葉を聞いたときの雅入《まさと》の表情を、恭介は一生忘れないだろう。  無邪気《むじやき》な子どものような、世界中の誰《だれ》よりも幸せそうな微笑《ほほえ》み。  それは誇《ほこ》りに満ちた笑顔だった。  それからの雅人は、別人のようによくしゃべった。  好きなロックバンドのこと。彼が通っている高校のこと。自分たちのバンドのライブのこと。  彼が足を骨折して入院する羽目《はめ》になったのも、実はライブ会場で調子に乗って飛び跳《は》ねたのが原因らしい。  彼の話を、恭介はいつも黙《だま》って聞いていた。恭介には、彼に話せるようなものが何もなかったからだ。だがその時間は苦痛ではなかった。雅人の話に出てくる人名や曲は恭介にはほとんどわからなかったが、そんなときいつも恭介は考えていた。いつか俺《おれ》も、この人みたいになれるだろうか、と。  やがて退院することになった雅人が、病室を出ていく直前に手渡してくれたのは一枚のチケットだった。家庭用のコピー機で作った、手作りのチケットだ。券面には、雅人のバンドの名前が書かれていた。 「その日までに退院しとけよ。……あの曲も演《や》るからよ」  そう言って、雅人はまた笑った。  それからの恭介はずっと、あの笑顔を追い続けてきたのだった。       2