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2015-02-04 23:37    バリー メンズバッグ
「無目的?」 「そう。無目標というべきなのかな。ただ毎日、本を読んだりビールを飲んだりしていれば十分なんです。あと煙草を吸ったり」 「目的もなく?」 「まあ。それが目的といえば目的なのかな。マッチ棒を積み重ねて塔を作っていくように、一本一本、一冊一冊を今は無目的に積み重ねているだけです。別に何かになるためにではなくて。報われるとも不公平だとも考えたことはありません。ただマッチ棒を積み重ねていけばきっといつかはどこかに到達するのだろうと、それだけを考えています」  平尾も礼子も不満そうに口を歪《ゆが》めたように見えた。その表情を見て、高井と高地は硬くなった。カンナだけは久しぶりに興味を引くものが見つかったときの猫のように目を輝かせた。しかし、この話題は長くは続かなかった。論点がまったくといっていいほど噛《か》み合わないからである。  それから漫画論や作家論がはじまった。それは聞いていてそれなりに面白かった。高井と高地の二人が平尾が興ざめるほど病的に、漫画家と作品に詳しいことに驚かされた。ほとんどの漫画の一コマ一コマの背景やセリフまですらすらと空で言えるのである。しかし、それはカンナにとってはまったくどうでもいいことのようで、その間、大あくびを繰り返しているばかりだった。  だらだらと続けられたディスカッションが何となくという感じで終わったのは午後十一時ころだった。平尾は面白い物があるからちょっとここで待っていてくれと言って自分の部屋に戻っていった。そして大きな紙袋を手にして戻ってきた。食堂には我々の他には誰もいなかった。それでも平尾は注意深く辺りを見まわして他に誰もいないことを執拗《しつよう》に確認し、その紙袋をテーブルの上に置いた。  ゴトンという硬質の音が響いた。 「拳銃《けんじゆう》だよ」と平尾が言った。 「サービスエリアのゴミ箱の中で拾ったんだ。たぶんモデルガンか改造銃だと思うけど、弾も一緒に入っていた」  ひとつのサービスエリアでは、子犬を拾う人間もいれば拳銃を拾う人間もいるものなのだ。  それから平尾が言い出したことは僕の想像を遥《はる》かに超えていた。これを使ってロシアンルーレットをしようというのである。もちろん弾は込めないけれど、それでも結構迫力はあるのではないかというのだ。それは確かに不毛なディスカッションより面白そうではある。皆が一様に目を輝かせた。  我々は崖を下りて、暗黒に沈む海岸線へ出た。雲が空を厚く覆っていて、星も月も見えなかった。平尾の指示に従い波を被る危険のない岩の上に輪になって座った。その中央に蝋燭が立てられた。夜の海は暗く、まるで怒りを秘めたように不気味にうねっていた。  くじを引く。  1から6までの順番だけを書いた単純なものだ。1がカンナ、2が高井、3が平尾、4が高地、5が僕で最後の6を礼子が引いた。平尾が簡単に手順を説明する。要するに撃鉄を上げてこめかみに銃口を当て、引きがねを引くだけである。平尾はリボルバーの弾倉を何度も回して全員に見せ、弾が入っていないことを十分に知らしめた。  カンナは銃口をこめかみに当てると、何がおかしいのかケラケラと笑い出してしまった。そして笑いながら迷わずに引きがねを引いた。その瞬間カンナはビクッと目を閉じ、カシャッという乾いた音が闇を裂くように響き渡った。  続いて高井が引き、そして平尾が大袈裟《おおげさ》な仕草でこめかみに当て、ゆっくりとトリガーに指をかけた。その指が震えているように僕には見えた。  カシャッ、という音が響くと平尾は「フウーッ」と大きな溜息《ためいき》をついた。