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クロエエデンショルダーバック編集

 修平は不満気に口を尖《とが》らす。 「食わせん。青は誰にも食わせん」  きっとなって耕作は修平を睨《にら》みつけた。 「わかった、わかった」  修平は泣きはらした耕作の目を見ると、さすがそう言って苦笑いした。耕作は、今にも青がばらばらに切られてしまいそうで、その場から離れることができなかった。  あれから一週間経った。家の裏の川の縁に、「愛馬青竜号の墓」と書いた塔婆が建てられている。拓一が削った木に、耕作が真心こめて書いたのだ。耕作の右肩上がりの字がやや曲がっていた。  拓一と耕作は、青の墓の前に立っている。 「兄《あん》ちゃん」 「うん、何だ?」 「ううん、何でもない」  耕作は、拓一が自分の失敗をかばって、かんぬきを忘れたと言ってくれたことを言いたいのだが、今日も言えなかった。 「耕作、青の元気ないななきが聞こえるようだな」 「うん」  耕作は、大きくなったら、兄に恩返しをしなければならないと思いながらうなずいた。 五
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