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クロエトートバック編集

「やらせろ!」 「そんなっ!」 「やらせろっ!」  ブラバは強硬だった。 「いいか、着陸するから、外の景色、明りの見え具合を覚えるんだ。そうしないと地面が分らん!」  ニーは怒鳴《どな》りながら、ドーメを着陸させて、ブラバに二本の操縦グリッブを持たせた。 「うむ!」  恐《おそ》れを知らない人というのは、このような時に驚《おどろ》くべき能力を発揮する。ブラバは、簡単にドーメを上昇《じょうしょう》させた。 「……ヌハっ!? ガッハハハハ……!」  ブラバに合わせて、ヘレナァも甲高《かんだか》い声で笑い、 「前に移動するのはどうする!」 「駄目《だめ》だ! 暗くて山との距離《きょり》が分らない! そのままだ」  ニーは、自分よりひと回り大きなブラバの身体《からだ》を押《お》し退《の》けて、操縦グリップを奪《うば》おうとした。 「ンドッ!」  ブラバは、逆にニーの身体を肩《かた》で払《はら》いのけた。同時にブラバは操縦グリップを大きく動かした。ドーメの機体が上昇する時のように傾斜《けいしゃ》した。が、加速がかからないので、浮力《ふりょく》が生じない。機体は、滑《すべ》るように後退した。 「ウッ!? 落ちる!?」 「外を見ろっ!」  ブラバに払いのけられ、ヘレナァにぶつかったニーは、ブヨッとしたヘレナァの感触《かんしょく》にゾッとしながらも、それを支えにして、ブラバの方に向こうとした。
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